行こう、あの人のもとへ。
今日は、入院している母方の祖母がひざの手術だった。
祖母は先月ひざを悪くし、
歩けない状態になって入院したのだ。
実はもっと前に手術の予定だったのだが、
その直前に心臓に異常が見つかった。
そのために別の病院にうつって治療した。
しかし一時期、あまり状態がよくなかった。
熱は下がらず、元気がなかった。
ものすごく苦しそうだった。
僕は、母とともに何度も見舞いにいっていた。
何もできないけど、
せめて声をかけることだけはしたかった。
小さい頃から、祖母にはすごくかわいがってもらった。
厳しいことは何一つ言わず、いつもにこにことしていた。
ものすごく優しくて、尊敬できる祖母なのである。
状態の悪いときは、落ち込んだこともあった。
何もできない自分を悔しく思うときもあった。
その後、祖母はなんとか回復して前の病院に戻った。
そして、今回の手術となったのである。
母には「病院には来なくていい」と言われていた。
だから、せめてできることとして
天国にいる祖父の墓参りと毎月行く神社へ行ってきた。
でも昼を過ぎると、やっぱり気になってきた。
(大丈夫だったのだろうか?
無事に手術を終えたのだろうか?)
いろんな思いが交じり合う。
不安だけがつのってくる。
もう、いてもたってもいられなくなった。
そして、僕は思った。
(病院に行こう!)
母に携帯で連絡をしたのち、病院へいそいで向かった。
(大丈夫か、ばあちゃん?
今、そっちへ向かうよ・・・。)
はやる気持ちをおさえて、行った。
病室に入ると、いとこのおばちゃんたちが勢ぞろいしていた。
あいさつをして、ベッドをのぞいてみると
祖母がこちらを向いて笑った。
祖母:「おお、takaかい。」
(よかった・・・無事だったんだ。)
安心して、ちょっと力が抜けた。
しばらくして、病室を抜けて窓のある休憩所に行った。
そして外を見ながら。
(ホントによかったなぁ・・・)
心の中で安心するとともに、
(天国のじいちゃん、ありがとう。
神様、仏様、本当にありがとう。)
なぜか、心の中でいろんな人に感謝していた。
そう思いながら見た窓の外の景色は・・・
涙でちょっとかすんで見えた。