お店の自由帳 | コンプレックスをこえて、おっちょこちょいは進む。

お店の自由帳

ある日の夜、僕は彼女とあるパスタ屋に行った。

僕たちが席についたところには、一冊のノートがあった。

店に来た客が自由に書くノートだった。

いつもなら気にしないのだが、なぜか気になって開けてみた。

その中には、いろんな人の書き込みがあった。

落書きもいっぱいあったけど、中にはこんなのもあった。

きっと子どもが書いたのだろう、絵と添えて

「おいしかったよ!」の文字。

女性の字で、

「あと二ヶ月で結婚します」という書き込み。

こういう文を見ると、食事前だけど幸せな気分になる。

幸せな人は、文字にまで気持ちが出るから伝わるのだ。

そんなあったかい気分になって、次のページをめくると・・・

おそらく男性の文字だろう、乱れた感じで

食事前なのに、



  

ぇー!

まさに、魂の叫び。

一ページまるごと使って書いてあった。

いったい、彼に何が起こったのであろうか?

さすがにそれはわからないけど、

きっと彼にとっては残念だったのだろう。

ここのパスタは、かなりおいしいから。

そこまで見たときに

店員:「おまちどうさまでしたぁ~(^_^)

と、注文したパスタがやってきた。

その後彼がおいしく食べられたことを祈りつつ、僕はノートを閉じた。

何気なくある、店の自由帳。

そこには、いろんな人の思いが込められている。

(追伸)

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