今、がんばるときだ。
最近は、あたたかくなってきた。
すると、なぜか卒業していった友を思い出す。
彼らはもう、大学にはいない。
四年間という短くて、長い間
笑い、泣き、悩んだこの大学には。
いつもタバコをすっていた場所には、誰もいない。
いつも一緒に食べていた食堂も、今は院の友と2人で食べている。
いつもいたあの大学の部屋には、後輩がいる。
彼らの笑い声は、あの部屋から聞こえてこない。
前も書いたけど、
友を思い出すとたまらなくさびしいときがある。
でも、大学の部屋を見ると目に浮かぶ。
友が、教員採用試験のために必死で勉強していたのを。
その様子を思い出した僕は、
(今度は、僕ががんばる番だ。)
口を引きしめた。
就職が、うまくいくかはわからない。
それを考えると不安なときもある。
一時期は、体調を壊して何もできないときもあった。
一時期は、本当に精神的にも落ち込んでいた。
でも、ようやく体調は戻った。
(今、僕ががんばるときだ)。
まだ、何もしていない。
まだ、終わっていない。
今できることが何かを必死で考えよう。
そして手に入れよう。
未来を。
そう決意し歩き出した、ある日のことだった。